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「でも他の3つは考えにくいだろ?大久保の死を偽装する理由がないじゃないか」
「金だよ」村山は冷静な面持ちでそう答えた。
「このサイトにあがってるのは村上の動画だけじゃないんだ。このサイトに上がっている動画を片っ端から見て回った。」
村山が1件の動画を再生する。
「動画を再生すると必ず15秒の広告が流れる」
「パッパーン!パッパカパーン!!最近なんだかよく眠れない、そんなことは無いかい?」また大きな音で先ほどと同じ広告が流れた。
「広告が終ると、投稿者がアップロードした動画に切り替わるんだ。何か分かるだろ?」
「え、まさかサイトに上がっている動画全部が自殺動画ってことか?」僕は薄々感じていた疑念を確認する。村山は僕を無視して動画を流す。それは1人の男が電車の踏切に身を投げ出して自殺する動画だった。
「なんだよ、これ」僕は思わず声を漏らす。
「まだだ、これを見てくれ」
村山は続けて別の動画を流す。広告が流れ終わって投稿された動画に切り替わって村山が言わんとしていることがなんとなく分かった。時間、人の流れこそ違うものの、これは先程見せられた自殺動画と全く同じ場所で同じ角度から取られた動画だ。そして動画の中では先程と同様に、今度は髪の長い女性が電車に身を投げ出して死んでいった。
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