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するとさ、彼女。まあ、綺麗なお姉さんは好きですかの、女性だけど。
「ご、ごめんなさい、貴方……許してください、もう二度としませんから……と、いうか、もう私も、こんな状態は嫌です……だから、貴方助けてください……それと今度こそ、妻の私を命に代えても守ってください……」
何かこんな感じでね、良く分からない言葉を述べてきながら泣き叫んで。俺の足を掴んでね、飛び立つのを阻止してくるんだよ。
俺もさ、ここで無視して振り切って強引に飛び立って逃げれば良かったんだけど……と、後で考えれば、そうしておいた方が良かったなと思う。
でもあの時の俺は、まあ、この女というか、前世の妻? だと述べている綺麗なお姉さんは好きですか? の涙にね、心を打たれたというか……涙を大量に流しながら、本当に美しい女神様なのにね。
顔をクシャクシャにしながら俺に守って、助けて欲しいと嘆願してきたんだ。
それも今度こそ、俺自身の身を投げ打ってでも彼女を守れと、また訳わからない事を述べてきたんだ。
本当に可笑しな事を述べる女性だとまた思ったんだけどね。彼女の紅玉の瞳が、本当に真剣だし、俺自身も吸い込まれてしまったよ。
だから取り敢えずは、綺麗なお姉さんは好きですかの、話しだけは聞いてみるかと、見下ろしてしまった。
まあ、先程も述べたけど、実はこれがいけなかった……と、後で考えれば思うよ。
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