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「たかが人間風情の男が、わらわの美しい顔に誰が触れて良いと述べた──き、貴様……どうにも本当に死にたいらしいな」
〈ゴリゴリ、ボキボキ……〉
ううう……いて、ててて……体中の骨が悲鳴を上げだしたよ。バカ女神が更に力を両手に入れ始めたようだ。特にどう考えても、俺の方が身長も高いし、体格差も女神フレイヤよりも断然大きいのに。今の俺の体と足は、宙に浮いてる状態なんだよ。
まあ、それだけなら良いが。先程から俺は、バカ女神に絞め付けられる度に、女性の宝物でもある自分自身の顔を押さえてみたり、掴んでみたりと暴れているんだよ。
それにもう一つの宝でもある彼女の美しい漆黒の髪も何度も引っ張った。本当に死ぬほど苦しいから。
だからさ、とうとう、バカ女神は、俺に対してヘイト値が完全に上がってしまい。俺を殺傷対象と認識をしたみたいだから。憤怒しながら怒号を放ってきた──それこそサスペンスのドラマのような、元妻が元夫を殺害して土に埋めるといったストーリーになりそうな予感までしてきたよ。
(28-7-(1))
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