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と、なると、俺の頭の浮かぶのは、父さん、母さんの顔が浮かぶので。自然と俺のの口から漏れる悲痛な言葉は、「父さん……母さん……俺、体中が痛くて、痛くて、死にそうだよ……た、助けてよ、お願いだから……」としか述べる事ができないよ。
〈シュ──〉
『ドゴッ……』
……ん? なに?
俺の体に何かが、高速で降りてきて圧し掛かってきた?
あれ、何か鈍い音が、俺の体から聞こえてきたような気がするよ?
と、思うとさ、体から激痛が走ってきた──それもさ、今迄俺が味わった事もないような痛みなんだ。
だから俺は、激痛に我慢出来なくなり悲痛の奇声を上げてしまったよ。こんな感じでね。
「うぎゃ、ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ!」
と、しか述て叫ぶ事しか出来ない……だ、だって、もう痛いとか、そういった問題では無くて、俺の下半身に感覚がないから。俺の体ってもしかすると半分に千切れて、裂けたのかも知れないよ?
う~ん、だって痛さの余り、のた打ち回って暴れように体も動かないし。俺の下半身の位置にはどう見ても、人がたたずんでいるようだから。
どうも、あの高さから、女神フレイヤが高速落下で移動──俺の腹部の位置に落下してきて、体が速度と重力に耐え切れずに、半分に裂けたようだよ。
普通の人ならば今の一撃で即死で楽に成れたのだと思うけれど、俺が名付けた魔王の容姿のお陰なのだろうか?
痛くて痛くて死にそうなのに、死んでも死に切れないというか、まだ虫の息で生きているようだよ。
だから俺は、本当に苦しよ。だから女神……ではなくて、魔王フレイヤに一思いに殺してくれと述べたいくらいだよね。
「うううううう……父さん、母さん、助けてよ……俺、痛くて、痛くて、死にそうだよ……ううう……」
もうね、これしか、俺の口から出ないよ。両親に対して、俺を助けにきて欲しいとの嘆願の言葉しかでない……本当に痛くて死にそうだから。
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