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「フフフ……どうだ、小童。自分自身の胴体が二つに別れた気分は?」
「うううううう……い、痛いです……た、頼みますから……ひ、ひと、一思いに殺してください……」
俺は、フレイヤに……じゃなくて、女神様に、もう一思いに殺して下さいと、お願いをしたんだよ。
もうね、痛いばかりでさ、本当に苦しくて、涙何て全然止まらないし。本当に痛くてさ、慈悲を下さいと……
「フン! 今更命声もしても小童──貴様だけは絶対に許さんぞ。何も我の事等知らぬ癖に、調子に乗りおって……先程の神を罵倒し愚弄した言葉は、万死に値するものだ。……だがな、いくら我が夫と、同じ容姿をしていようとも。貴様だけは楽には殺しはせん。先程我が述べて通り、貴様をバラバラ引き裂いて、我の血肉と魔力に変えてくれる」
でもさ、女神フレイヤ様は、俺の力一杯振り絞って述べた。泣きながらの嘆願を凍りつくような、冷たい目で跳ね返してきたよ。
それにさ、それだけなら、いいけれど。俺をね、生きてるままで、体をバラバラ引き裂いて、食するとまで述べてきたら。俺は彼女の言葉を聞き、更に恐怖で震えてしまう。
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