第2章 夫婦喧嘩になるのかな?

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でもね、良いよ。俺が気に入らないのなら、それでも……でもさ、一思いに殺してからにしてくれよ。  でないとさ、痛さの余り、俺の頭の中は変になりそうだから…… 『バキバキバキ……』  ……ん? あれ、今もしかして女神フレイヤは、俺の背の翼を掴んだ?  う~ん、一体何をするつもりなのだろうか? 「うぎゃ、あああああああああああああああああああああああああああああっ!」  うわぁ、あああっ! 痛い、痛いよ、俺。女神フレイヤが、俺の背にある翼を力任せに引き千切ってきたよ。だから今度は俺の背中に激痛が走るから、我慢で出来ずに、大きな声で叫んだ。痛くて痛くて仕方がないから…… 「フン、まだ声が出るではないか、貴様……」  フレイヤ、薄ら笑み浮かべながら、述べてきた。もうね、彼女俺を嬲り殺すのが、楽しくて、楽しくて、仕方がないみたい。  だって、俺が痛みに耐え切れず、大きな声で奇声を上げる度に、本当に嬉しそうに笑みを浮かべているよ。実際今も、女神フレイヤの様子はそうだから。 「痛い、痛い、痛い、イタイ、イイイイイイイイイイイイイイイイイイッ? た、頼みます……助けて下さい、許して下さい、お願いします……」  こんな感じで嘆願している俺を本当に嬉しそうに、上から覗き込んで見ているからね。  まあ、本当に、先程も述べたけど。彼女の容姿は女版の魔王様といった感じで、本当に恐ろしくて、残忍な女だと思う……  だってこれだけ好き放題──それも一方的にやられてしまうと、俺は心底思うし。頼むから、俺を慈悲で、一思いに殺しくてくれと思うよ。  でもね、彼女は、そんなお慈悲な心は一切無いようだ。俺の嘆願の言葉を聞いて、笑みを浮かべるのは止めて。また憤怒し始めるよ──そして俺をまた冷たい紅玉の瞳に睨みつけてくる…… 「はあ、先程申したであろう、一遍には殺しはせんと、あれ程我を愚弄したのだから、ジワリジワリと殺してやるよ……次は貴様の腕でも貰おうか?」 (35-14)
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