41人が本棚に入れています
本棚に追加
〈シャキィ──ン!〉
「ぐぅ、おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ! 」
〈シャキィ──ン! シャキィ──ン!〉
「ぎゃ、あああああああああああああああああああああっ! いっ、痛っ、痛いよぉ、おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおっ! お、俺の腕、腕がぁ、ああああああああああああああああああっ!両腕がぁ、ああああああああああああああああああっ! 無くなったよぉ、おおおおおおおおおおおおおおおおおおっ! 痛いよ、痛いよ、痛いよ、助けて、誰か……お願いだから、助けて下さい……」
俺もう、ダメだよ、下半身も無いし、ここから、逃げようにも、背中の羽もフレイヤに引き千切られたよ。だから痛くて仕方がないのにね……今度は止めのように彼女に──手刀で根元から両腕を切断された。
だからもう、激痛の余り痛くて仕方なのは辺り前だけど。もうねダメ……我慢できないから、完全に意識が飛びそうだ。
でもね、そんな、芋虫状態で、のた打ち回る俺に、女神フレイヤは慈悲の言葉を掛けてくれる訳でもなくてね。
「ふん、大袈裟な、男よの」と、冷たい目と言葉をくれたのみで、それどころか『ドゴン!』と俺の顔面に蹴りを入れてくれた。
だから俺は、「うぐぅ、ぐほ、うううううう……」と、こんな感じで。自身の命もあと僅かで、風前の灯火……虫の息になってしまったよ。
まあ、そんな、訳だから、皆さんさようなら、もう二度と会う事もないと思うよ……
◇◇◇◇◇
(36-15)
最初のコメントを投稿しよう!