第2章 夫婦喧嘩になるのかな?

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「あっ、うん、で、でも……」  まあ、何か良くは分からんが、(うち)の奥様だかけは、俺が本物のオーズだと分かると、急に 『オドオド』と、し始めているよ。それこ今にも泣きそうな顔を始めているね。  でも、まあ、仕方がないか、フレイヤ《こいつ》と話しをするのは、神話の時代以来だからなぁ……本当に悪い事をしたと思うし、寂しい思いをさせたと思うよ。  う~ん、だがな、先程も皆に述べたが。流石にこれはやりだ。悟の体は本当にバラバラだし、(彼奴)の精神というか、俺自身の精神もここまで良く持ったと思うから。  まあ、それにしても、挙動不審というか、先程から(うち)の奥さん、何か様子の方が変でね、『ソワソワ』としているんだよ。だからどうしたのかと、尋ねてみる事にする。 「ん? でもが、どうかしたか、フレイヤ?」 「いっ、いえ、何でもないです、何でも、ただ……」 「ん? 今度は、"ただ"がどうかしたか、フレイヤ?」 「えっ? いっ、いえ、な、何でも、ないです」 「う~ん、そうか……それよりもフレイヤ、先程から奥歯に物が挟まるような物言いをしているが、ハッキリと申せ、何を言いたいのか、俺には全然分からないから、ハッキリ述べろ」 「怒らない?」 「あああ、怒らないよ……」 「じゃ、貴方を治しても、後でわらわを怒ったり、摂関をしたりしない?」  あああ、なるほど……そういう事か、俺に叱られるのが怖くて、『オドオド』していたという訳だね。  ……まあ、叱りはしないよ。()自身も、昔の記憶も、戻っている訳でもないのに。少しばかり自分の女房に、酷い事を言い過ぎたと反省をしているから……  でもまあ、少しばかりは、からかってやろうとは思うよ、(うち)奥さんに。久しぶりというか、神話の時代以来の夫婦水入らずだから。少しは俺もジャレてみたい気もするから。こんな言葉を述べてみようか。 「う~ん、どうするかな? 俺もこれだけお前に、体を引き裂かれバラバラにされたのだから、痛くて痛くて仕方がないし……」 (38-17)
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