第2章 夫婦喧嘩になるのかな?

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「えぇ、えええええええええええええっ! そ、そんな……じゃ、貴方を。な、治すのは、い、いやです……そ、それに、貴方、すいませんが、少しお暇を……」  フレイヤ、俺の、手を拾うのを止めてね、逃げようと試みているようから。俺は、少し可哀そうだとは思うけれど。妻が逃げないように、少しばかりきつめの台詞を今から述べるよ。 「おい、こら、フレイヤ──お前、俺を放置して、何を逃げようとしている」  まあ、こんな感じだけど、取り敢えずは、奥様に逃げるなと述べてみたんだけどさ。さてさて、フレイヤはどんな態度を取ってくるかな? 「えっ、いや、だ、誰も逃げはしません、わらわ……た、ただ、少しばかりお暇を下さいと述べただけです、貴方に……」  はぁ、この女だけは、相変わらず、訳分からない事を述べてくるよ。  ……でも、まあ、そういう所が、昔から大変に可愛いくて、俺はフレイヤに惚れて妻にしたのだけど。本当に奥様には苦労を掛けたと思うよ。  特に彼女には、バーン神族の重みが全部圧し掛かってしまったから。俺も何とか解放してやりたいと思って、何度か策を練っては対抗しようと思ったが。  その度に失敗をしては、妻に迷惑を掛けてしまったよ。俺の命乞いをする為に。  まあ、そんな複雑な理由が色々とある訳だから。フレイヤは先程、俺の生まれ変わりでもある、悟の言葉に切れたんだよ。 『何も知らないくせに』と、言葉を述べたのも、まあ、夫婦間の問題というか、俺達バーン神族が、神々との戦いに敗れたのもあるし。妻が俺を守る為に、仕方なしに神々に身を捧げたのが本当の理由(わけ)だよ。  まあ、これ以上は俺も昔を思い出すと、本当にくるから、取り敢えずは、俺の口からは止める事にするよ。悔しくて涙が止まらなくなるからね……  でもさ、こんな恐ろしい事を平気にしてしまう女だけど。実はね、女神は女神様だから本当は慈悲深くて優しいだよ。(うち)の奥様は……  と、まあ、こんな感じで少しばかり話しもずれたみたいだけど。また元に戻すね。 (39-18)
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