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始
「おな、おにゃか、が......」
夕方の街道に女の子がいた。
「お腹、が......」
女性というほど色香はないが、
少女というほど幼くもない女の子が、
薄茶けた、
体の三倍はありそうなリュックを背負って、
今にも死にそうな声を上げていた。
「誰かぁ......助け、......ぅ」
くたびれた白いシャツにジーンズ生地のオーバーオールを合わせ、
ギリギリ肩に届いていない髪を後ろで結んでいる女の子は、
背負った荷物にいつ潰されてもおかしくないヘロヘロな足取りで、
先ほどやっと森のなかからニペソ村へと繋がる街道へ出てきたところだった。
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