②占星術師アヌンナキの恋人2.

26/31
83人が本棚に入れています
本棚に追加
/537ページ
その様子を見ながら玲子は床に置きっぱなしにされていた『砂漠の商人アヌンナキの裏切り』を手に持った。何度も読んで子供の頃ページを破ってしまいセロハンテープで貼り付けた跡が残っていた。 「森羅堂先生もわたしが見た夢を共有したんだよね」 「ええ」  短く答えると森羅堂は天球儀の側に寄って体をかがめると目盛りをじっと見つめた。 「アストロラーベの男って森羅堂先生に横顔がちょっと似てるって思ったけど別人なんだよね?」 「もちろんです。彼は占星術師で人間でしたから」
/537ページ

最初のコメントを投稿しよう!