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全身が赤い毛皮で、つきだした口。
身長は1メートルくらい。
尻尾が長く、1メートル以上ある。
背中からは2枚の白鳥のような翼が生えている。
そんなユルキャラとしか言えない生き物が、かごを持ち、道を歩いている。
そして、PP社の社長夫人でもある。
「おもしろい顔でしょ。動画投稿サイトに、みんなに見せびらかそうとしたんです」
ボルケーナは、スーパーに買い物に行く途中だった。
「そしたら怒られました。肖像権の侵害だ!って」
罰は、高級喫茶店で、ケーキとコーヒーをおごらせる事。
久保田少年は、逆らえない自分を恥じて叫んだ。
「仮にも子供の愛と自由を守る悪ガキが、こんなことでいいのか!? 」
その時ボルケーナが手から放ったのが、顔をモザイクにするビーム。
「悪ガキ権への配慮である! 」
ボルケーナはそう言って、店のすべてのケーキを平らげようとする。
しかし、店員から止められた。
「今日あたり、お得意様が来そうな気がするんですけど」
それでも食べようとするボルケーナ。
そこに、お得意様がやってきた。
ゴリラのごとき、筋肉がたくましい男性だった。
ボルケーナは、おびえて飛びだした。
ちなみに、買い物は再開した。 普段は買わない最も高級なシャンプーを買った。
「僕はお金を払ったあと、のんびりと彼女を探していたわけですよ」
ぼうぜんと聞き入るウトサワー。
だが話を聞き終えると、話しだした。
「俺は、ルフルム星籍の宇宙巡洋艦、アテリーシン号の艦長、アンネシュ・ウトサワー。
自分で名乗ってるんだがね」
今から15年前。
ルフルム星は戦争をしていた。
地上から海底、宇宙まで巻き込んだ、激しい戦いだ。
そこでアテリーシン号は、あまりに無謀な戦いに参加する。
敵のわなにはまり、艦隊ごと倍の敵に包囲された。
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