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この時、味方艦隊は突撃をかけた。
しかし、アテリーシン号は、逃げた。
味方の艦隊は全滅。
乗員は、ほとぼりが冷めるまで人工冬眠に入ることにした。
冬眠している間は何百年でも飲まず食わずで生きられる。
10年近くが立った。
その間に、戦闘による傷が艦をむしばみ続けていた。
ウトサワーの人工冬眠機が壊れ、彼だけが目覚めた。
そして現在までの5年間。
一人で艦を修理し、戦闘訓練にのめり込んでいた。
コンピューターは修理できず、他の者を目覚めさせることはできない。
だが母星とは通信できた。
15年前の戦争は自軍が勝利していた。
だが、アテリーシン号は裏切り者の艦として、永久追放となっていた。
「そこでだ。俺は俺の優秀さを見せつけることにした。
もっとも守りの固い星で攻撃を浴びる中、見事な近接戦を決めてやる!
そしたら、故郷だって! 」
久保田少年との会話は、ウトサワーの憎しみを再確認させただけだった。
「優秀な人間を一人連れ帰るぐらい、簡単じゃないかよ!! 」
ポルタの上にアテリーシン号が、その黒い全長300メートルの姿を現わした。
ウトサワーは、カメラ型レーザー銃を久保田少年の足元に撃った。
下の階まで届く、幅5センチほどの穴が開いた
「人質になってもらうぞ!」
久保田少年は足がすくんだ。
その時、レーザー銃が破壊された。
あの、転んだヒーローの狙撃銃だ。
2人の会話は、久保田少年の機転でPP社に電話され、すべて筒抜けだった。
そして会話が時間稼ぎとなり、ヒーロー達が集結していた。
ウトサワーは、久保田少年を殴りつけ、逃げだした。
久保田少年のアプラーマーの強度は高かったが、転んでしまった。
少年とウトサワーの間に、ヒーロー達が滑り込み壁となる。
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