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「近づくんじゃねえ! 」
ウトサワーは隠し持っていた銃を乱射した。
細身でありながら、そのパワーはヘビー級。
迫りくるヒーローに暴れまわり、次々に倒す。
「くそ! このクソ野郎! 」
最後に倒されたヒーローが叫んだ。
ウトサワーは、アテリーシン号へ戻る着陸艇を呼びだしていた。
「俺は愛国者だ! 敵前逃亡に反対したんだ! 」
軽自動車のような大きさと形をした宇宙艇がやってきた。
高速で飛び、久保田少年とヒーロー達をレーザー機関銃で掃射する。
動く者がいなくなると、ウトサワーは揚陸艇に乗り込んだ。
「俺はここで! 近接戦闘しなきゃいけないんだ! 」
その時、久保田少年の頭の中で声がした。
『アツシ君。もういい。あとは任せて』
その声は、ボルケーナの物。
突如アプラーマーが、体から離れた。
そして、グングン膨らみゲル状にとけて新たな形になっていく。
神獣ボルケーナ。
アプラーマーの素材であるボルケーニウムは、ボルケーナの一部。
一つの意識でつながった分身なのだ。
神獣の姿は、エネルギーを体に変換することで自由に変えられる。
今の全長は100メートルに達している。
その巨体が、音もなく宙に浮いていた。
その手が久保田少年を救い上げ、道路に下した。
黒いポルタは消え、アテリーシン号が現れた。
黒い剣を思わせる流線型の艦影に、黒くはあるがゴツゴツしたこぶのような所がある。
そこが戦闘で開いた大穴。
それをふさいだ、すい星、氷のかたまりだ。
それが崩れ、街に降り注いでいた。
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