これも一種の両想い?

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「ごめん。待たせて」  椙田がそう言って姿を現したのは、受付で別れてから二〇分ほど経った頃だった。 「すぐ終わると思ったんだけど、意外に先生の説明が長くてさ」 「検査結果は?」 「大丈夫。回復は順調だって。再来週には完全復帰出来ると思うよ」 「それはよかった」  ホッと息を吐き、俺はさっき購入しておいた珈琲の缶を椙田へ渡した。 「どうぞ」 「有り難う」  御礼を言って椙田は缶を受け取ったけど、何故かプルタブに指をかけず、持てあますように手の中で転がした。 「……キャプテン?」 「あの……さ、瀬谷。ひとつ聞いていい?」 「…………」  やっぱりきた。  自分の表情が強ばるのがわかった。 「今日、部活を休んだのは何故?」
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