これも一種の両想い?

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「……え……と……真田から聞いてない?」  少しだけ誤魔化してみる。無駄だとは思うけど。  案の定、椙田は呆れたようにため息をついた。 「妹さんの薬を取りに行くっていうのは聞いたけど、それは本当の理由じゃないよね」 「そ…んな」 「…………」  椙田は俺の方を真っ直ぐに見ている。俺は決まり悪くて視線をそらす。もうこの時点で負けを認めたようなものじゃないか。  ダメダメだ。俺って奴は。 「瀬谷」 「はい」 「昨日の……」  ドクンっと心臓が飛び跳ねる。 「見た……よね」 「…………」  俺はギュッと目をつぶった。とたんに昨日の部室での光景が頭の中に蘇る。  やばい。  慌てて俺は目を開いた。まだ現実の地面でも見ていたほうがマシだ。
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