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「すいません」
「どうして謝る……の?」
どうしてって。そんなことこっちが聞きたい。
どうして俺はこんなに後悔してるんだ。昨日部室のドアを開けてしまったことを。
どうして俺は昨日のあの光景が忘れられないんだ。
どうして俺はこんなに苦しいと思ってるんだ。胸が痛いんだ。
俺は何を考えてるんだ。
俺は。
その時、下を向いた俺の目の端に握りしめた椙田の拳が映った。
「…………?」
何だろう。椙田の手が震えているような気がした。
「……キャプテン……?」
思わず俺が顔をあげると、椙田が酷く辛そうな表情をして俺を見つめていた。
「軽蔑……した?」
「……え?」
一瞬、何を言われたのかわからなくて、俺はキョトンとした表情をしただろう。
「何?」
「だから……軽蔑したろ? 部室で……あんな」
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