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きっかけ
「バイコーン、旅人の身体はどのような味がしましたか?」
ランプの炎が、少女を背面から照らしていた。その表情をうかがい知ることはできない。
「悪い知らせをお届けします。
ここには何と…聖王様がいらっしゃいます」
蝋燭の炎が揺らめいた。
事務的な口調と共に、少女が目を大きく見開き、こちらを見下ろしているのが見える。
僕はどうして豚縛りにされているんだ。これから何をするつもりだ。言葉を発しようとしたが口さえ動かない。
いや、それ以前に…バイコーンとは…。
ドアが軋みながら開くと、剣を携えた騎士が姿をみせた。
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