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ミノタウロスが訪れた理由は…簡単に言えば定期検診だ。
彼女は牛族の中でも巨人病に悩んでいるようだ。
「とりあえず今年になってから、まだ2センチしか伸びていない。
貴殿の薬が効いているおかげだろう」
「油断はできません。少しずつでも伸びているということは、
いずれ身体が耐えられなくなってしまいます」
巫女が真剣な表情で言うと、ミノタウロスは豪快に笑った。
「なに! そのときは更なる鍛錬を積んで体を補強するだけだ」
「ミノタウロス殿…!」
あくまで巫女は心配なのだろう。ミノタウロスは低めの声色で言った、
「わかっている。だが、我とて魔女8柱の1人…あがくだけあがいてやるさ」
巫女は深刻な表情で言った。
「どうかお願いします。
ミノタウロス殿には1秒でも長く、玉座にいてもらわなければなりません」
ミノタウロスは目をつぶった。
「わかっている…わかっているさ…」
何だろう。2人のやり取りで緊迫感を覚えるとは。
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