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僕はミノタウロスと巫女を背に乗せ、再び森の南側を目指していた。
彼女たちはマナに関しての話をしていた。
「そうか、貴殿の場所でもか…」
「はい、平均して5パーセント…場所によっては1割近く5年前に比べて…」
「ふむ…」
ミノタウロスは姿勢を変えた。腕を組んだのだろう。
戦士にとってマナの話題は専門外だと言いたいのかもしれない。
巫女もそれを感じ取ったようだ。
「すみません、ミノタウロス殿は戦士なのに…」
「巫女殿まで我を侮るでない。確かに他の魔女に比べたら今一つだが…
相談相手くらいならできる」
巫女はすぐに非礼を詫びた。
そうか、詳しくないといっても、それはあくまで8人の中での話だ。
僕よりもずっと深い知識を持っているのだろう。
ミノタウロスはぼそぼそと言った。
「巫女殿の森も、我の住処と同じ状況か…」
妙な間が空いた。
巫女は恐る恐るという感じの空気を纏って言葉を返す。
「やはり、そうなのですね」
ミノタウロスは言葉を発しなかった。影が動いたので頷いたのかもしれない。
4・5歩歩いたとき、その言葉が出た。
「世界的な…問題なのかもしれんな…」
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