魔女の円卓会議

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魔導師も緊張しているのだろう。息を荒くしたまま円卓を眺めていた。 言葉を選んでいるのかもしれない。 そこに巫女が質問した。 「具体的に…どの時期にポールシフトが起こるのでしょう?」 「それは、我々にもわからん…。しかし、そう遠くない未来じゃろう」 「この中の誰かが死んだ時」 一同が堕天使を見ていた。不思議と彼女の言葉には人の関心を引く力がある。 「天界にいた時に聞いたことがある。 1000年前の騒乱は、8柱のひとりが死んだことで始まった…とか」 聖女や巫女やミノタウロスは戦々恐々とした様子で、錬金術師や魔導師を見た。 彼女たちは少し固まっていたが、やがて頷いた。 「信憑性は…かなり高いと思います」 「私も、堕天使さんの言う通りだと思う…」 けっきょく、会議でわかったことはポールシフトという現象が起きるかもしれないから各自準備をしましょう。ということだけだった。 会議が終わると、巫女は僕を見た。 「どうしたの、さっきから難しい顔をして…」 『ポールシフトという現象は、僕の暮らしていた世界にもあった。 どういうものなのか説明しろと言われても困るが…1000年周期で頻繁にやって来るものではなかった気がするんだ』
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