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そう発言すると巫女も表情を曇らせた。
「正直に言うと、ポールシフトってわからないことだらけなの」
『そうなのか…』
言葉を詰まらせたとき、ネクロマンサーと目が合った。
彼女は僕らに近づくと低く響かない声で言った。
「何か知っていることがあるのなら教えて欲しいのだがな」
「わかれば苦労はないわよ」
ネクロマンサーは小さくため息をつくと、僕らに背を向けた。
「ああ、そういえば巫女殿…」
「なにか?」
ネクロマンサーが振り返ると、思わず身を引いてしまった。
その目は歪んだ光を放っていたからだ。
「訪れた旅人をユニコーンに改造したそうだが…なぜだ?
貴殿の腕なら完治させることもできただろう」
巫女はじれったそうに言った。
「バイコーンに憑りつかれていた者を治療するなんて無理よ」
「嘘はよくないな」
ネクロマンサーは僕に視線を向けた。
「君も勘づいているだろう? この女は危険だ」
ネクロマンサーが去ると巫女は「嫌なヤツ…」と囁いた。
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