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国境の砦は、すでに不死者の攻撃に晒されていた。
不死者の姿は、ゲームでお馴染みの骨や腐った死体。亡者と呼ぶのがしっくりくる。
亡者たちは、すでに倒れた仲間の死骸を足掛かりに、砦によじ登ろうとしていた。
城壁にいる兵士たちは、丸太や石を落として骸骨戦士と応戦。激しい戦いを繰り広げている。
「くそ、こいつら…!」
骸骨は歩兵タイプとは限らない。牛や馬の骨も素材となるようだ。
そして、敵陣をよく見てみると、投石機のようなものを構えていた。
兵士の1人が叫ぶ。
「来るぞ!」
相手方の投石機が何かをうち出した。
石や丸太ではない。あの黒く細長いものはなんだ。
それは城門の中へと落ち、兵士たちは一斉にそこから離れた。
打ち込まれたそれが起き上がると、周囲にハエが飛び交った。ゾンビだ。
砦の騎士が叫ぶ。
「応戦!」
付近にいた兵士が陶器をゾンビにぶつけ、次の瞬間には魔導士が炎魔法を見舞った。
ゾンビは勢いよく燃え始める。どうやら燃える液体をぶつけたらしい。
『考えたな』
「ゾンビは耐久力があるからな。さっさと火葬しないと砦が大変な事になる」
「長槍を持て!」
僕らは急いで声のする方を睨んだ。死体の山を乗り越えた骸骨戦士が次々と砦に侵入してくる。
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