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聖女は叫んだ。
「行くぞ!」
彼女が剣を振り上げると僕は勢いよく駆けた。何百という兵士たちもそれに続く。
転んだ兵士に向かって骸骨戦士が剣を振り上げたが、僕が近づいただけでバラバラに崩れ落ちた。
僕はそのまま、骸骨とゴーレムの残骸で出来た坂道を下る。
立ちはだかる骸骨戦士は勝手に崩れ落ち、ゴーレムやゾンビの動きも大きく鈍った。
邪魔なゾンビを蹴飛ばすと、それは跡形もなく蒸発していく。
姿を減らす敵とは対照的に、守備隊の士気は一気に高まった。
坂道を駆け下りた時には、亡者の姿は大きく減っていた。
聖女は号令を出した。
「このままネクロマンサーを捕らえる。行くぞ!」
次に僕の前に立ちはだかったのはゴーレムだ。
その姿は大きく、2階建ての家くらいの大きさがある。
聖女は少し判断に迷ったようだが、僕は叫んだ。
『掴まっていろ!』
勢いをつけると、角をゴーレムに突き立てた。
この耐久力は岩石くらいだろうか。ゴーレムの胸に無数のヒビが走り、やがてバラバラに砕け散った。
「さすがだな…ストーンゴーレムを朽木のように壊すとは」
『自慢ではないが、昔から壊すのだけは得意だ』
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