1章 魔法使い

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「そんなのがなんでここにこれるのよ?」 「君たちが連れ込んだ女子生徒が密告したそうだ。当然の報いだと言って去ったよ」 身体が震えて気が飛びそうになった。 「みんなは──」 唇が渇いている。 「死んだよ」 先生は無慈悲に言った。冷徹な響きに私はよろめきそうになる。辛うじて踏ん張った。 「先生がやったんでしょう」 「違う。落ち着け」 息が上がる。心なしか心拍数が上がった気がした。 「忠告はした。聞き入れてはくれなかった」 「同じ魔法使いなのに」 「リア。そうやって生きている魔法使いもいるんだ。それがこの世界なんだ」 「なんでよ」 「歴史で何度もやってるはずだ」 「それはそうかもしれないけれど、こんなことって」 許せるはずがなかった。 心臓が破裂しそうなくらい暴れている。 「リア。君もリストに載せられている。このままだと学院を出る前にあいつらみたいに殺されるぞ」 先生のきつい口振りに私は息を呑む。 それでも納得できるわけがなかった。 「なんでよ、私はどうしたらいいのっ」 混乱した気持ちは溢れるだけ溢れる。 言葉にできないってこういうこういうことなんだ。 「やだ、さわらないで」 私に触れてきた先生の手から逃れる。
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