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セントル大陸北部レインコート地方に限らず、魔法使いの扱いは昔から酷かった。
私の実家ロードでも、それは変わらない。
シャーロット家は昔からの魔法使いの家系で、私の父親も当然魔法使いだった。
母親は魔法市で買われたメイドだった。父親が母と結ばれて、母は領主から逃れて私を生んだという。
私が三歳のとき、シャーロット家は危険者の扱いを受けて潰された。父親もおじいちゃんおばあちゃんも殺された。母が私を孤児院に預けて、失踪した。
孤児院は魔法使いが多かった。十を越えると学院に入れられる。十八までに魔法使いの資格を取らなければ収容所に送られて殺されるのを待つ日々が続く。仮に収容所で価値を買われて売られたとしても、買われた先で飼われることに代わりないらしい。生きていたってどうしようもない。私の周りには口にこそ出さないもののそうした連中がたくさんいる。
楽しみは各月にあるイベントくらいだ。
それも優秀者だけが楽しむダンスパーテイ。
下級魔法使いの残骸に楽しむ余裕なんて更々ない。
すれてるように思うけれど、私は魔法をうまく扱えない。
練習場でどれだけ集中しても結果は同じだった。
先生とは最初の試験で会った。
その日は曇り空だったことを覚えている。
試験は巨大な森で行われる。
毎年暴発を起こす生徒がいて森を破壊する。
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