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「それを言うなら、私も突然飛び出してきちゃったからみんな驚いてるかも……」
私たちは二人で深刻な顔をしていたが、結局仕方がないからあとで私がお詫びのメールを送る、ということでその話はお終いにした。
そこで、コーヒーと紅茶が運ばれてきた。
私はコーヒーにミルクだけ入れてかき混ぜる。佐々木さんは、ミルクと角砂糖を一つ、カップに入れてかき混ぜた。
佐々木さんにはミルクティーが似合うな、と私はぼんやりと思った。
佐々木さんは、とても可愛らしい感じの人だ。
今日はふわっとしたショートボブの髪に、丸襟の付いた白いシャツを着て、これまたふんわりした素材の緑色のスカートを履いている。踵の高くないパンプスと、薄いベージュのコートも良く似合っていた。
対する私は、伸びた髪の毛を一つに纏めて、黒いジーンズに紺色のセーター、黒いスニーカーに黒いコートと言う装いだ。好きなものばかり着ると、だいたいいつもこんな感じにまとまる。
「……佐々木さんは」
「うん?」
「何で、その言葉が嫌いなの?」
そう聞くと彼女は少し考えてから言った。
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