彼女と私

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 「私の場合は、『女の子なんだから』、っていうより、『女の子だから』って言葉なんだけど。『女の子だからこういう可愛いものが好きでしょ?』、とか、『女の子だから気が利くね、やっぱり男とは違うな』、とか。でも、それっておかしいと思わない?」  佐々木さんはそこで、一度紅茶に口を付けた。  「だって、『女の子だから』可愛いものが好きなわけでも、『女の子だから』気が利くわけでもないでしょう? 可愛いものが好きなのは私の感性だし、気が利くって言ってもらえるのも、私が気を配って見てるからなのに、『女の子だから』って一括りに言われるのは、違和感があって嫌い」 「確かに……」  女の子だからって可愛いものが好きじゃなくたっていいし、男性だって気が利く人は気が利く。そこに、『女の子だから』何てことは何も関係ない。  私だって同じだ。スカートよりズボンが好きだからそれを選ぶ。可愛いものより、シンプルなものが好き。恋愛映画よりもアクション映画の方が楽しい。  それは、『私が』好きなものなのだ。『女の子なのに』何てことは、一欠けらも関係ない。  「私と間宮さんは同じ女の子かもしれないけど、好みは全然違う。でも、それが普通でしょ? 十人いたら十人それぞれの好みがあって、性格があって、……そこに性別って、私はあんまり関係ないと思う」  私は、黙って頷いた。  『女の子なんだから』、という言葉が、昔から嫌いだった。     
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