第1話 蘇生

10/11
前へ
/15ページ
次へ
蒸してる間は暇なのでバイクの試運転 フィィィィィィィィ エンジンをかける バイクモード 4輪なので安定感は抜群 次は歩行モード ガッチョン…ガッチョン 振動がおしりに響く… 慣れれば走らせる事も可能かも… おしりは痛そうだけど バイクと歩行とを交互に変えながら回りを走り回る そろそろ蒸し終わったかな? 袋を触り確認 ぐにゃぐにゃと袋がへこむ これなら大丈夫かな? 袋を少し開け中にレーションパウダーを入れる そしてそのまま袋の上から潰す 袋が透明になり中の様子がよく分かる パウダーの茶色が目印になり、全て茶色くなるまで潰し混ぜる 混ぜ終わったら次は焼く 袋の色が黒くなる 『このまま火に入れ焼くと出来上がりです。出来上がり後は保存の為、そのまま袋から取り出さず携帯して下さい』 袋を火に投げ入れる パチパチと音がなる焚き火を眺める 煙が白くなってる。水を排出してるのね… 白い煙なんて……見たこ……と…… 外を見る…黒い煙があちこち見える 空も黒く…そして寒い… 「世界は終わるの?」 幼い私は男に問いかける 「そうだね。もう私たちの機械を使っても人間が住める星では無くなるね。」 男は悲しそうに笑う 「だから私たちは眠るんだよ。君が構築した理論なら再生した地球まで人間は眠れる。」 男は私の頭を撫でる うれしい… 通路… 背の伸びた私、横を見る 大きな硝子越しに無数の簡素な服を着た人々が横たわる 「増えた?」 『はい。アヴァロンへの移住者は1週間前から200人増えてます。』 唇をキュッと噛む 「肉体を捨てるなんて…」 外の焼却炉が見える化 焼却炉の煙が止まることなく黒い煙を吐き続ける 「なんで私を待てないのよ…」 目を開ける ここ……どこ……?ぼーっと考える 辺りは前が見えない位暗い 『寝袋モードを解除します。おはようございます。』 あぁそうか……新世界だった 寝袋がローブに戻り動けるようになる 起き上がり固くなった体をほぐしつつ、レーションを確認する 焚き火の炭の中に袋が3つ つついてみる 柔らかくない 1つ開けて見ようかな? 『密閉状態の維持を推奨、焼き時間、固さから推測して完成状態だと認識します。』 少しお腹は空いてるけど…食糧の確保が不透明な今は節約が最善かな… 「維持は任せるわ。」 私は立ち上がり近くのタケに刺さっている袋を下ろす
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加