第1話 蘇生

3/11
前へ
/15ページ
次へ
意味は理解出来た ノア計画…汚染された地上を脱出、戦争後の地球を再生させる人類冷凍保存計画 同時に生命の保存、再生 『爆破により出来た穴は噴火により出来た洞窟へと繋がり、生存可能者を排出現在に至ります』 地殻変動?火山? 暗い洞窟がうっすらと見えはじめる 「今は何年?戦争は?生存者は?」 『現在は新暦258369年です。戦争は新暦258359年に宇宙での戦闘を最後に確認されておりません。109の生存者は再生可能者の生命維持を優先とし生存者は1名、他再生は不可能と判断しております』 あれから…258000年…?冷凍保存の安全再生可能年数は300年…理論上は冷凍されてれば再生可能と言われてるけど…仮説は立てられる… 私はゆっくりと上を見上げる… 見上げた穴の中には無数のポッド 中には何も入ってない… 私は気持ち悪くなりその場で嗚咽する 頭では理解出来るけど、やはり簡単には受け入れられない 『鎮静剤を投与いたしますか?』 私は頭を横に振る 「他の舟の生存者は?」 『メインサーバーは256221年に途絶、途絶時点での信号は10機確認出来ております』 「2000年もよくもったものね…」 奇跡ね…私は99人…もしかしたらNA210の冷凍保存者も犠牲にして生き残った… 約26万年… 私と同じように生き残れた人はいるのかしら… 寒い… ふと下をみる…着衣が無い… 『全て生命維持に当てさせていただきました』 「簡易的な服を生成出来る?」 『必要な素材の確保により可能です。』 周りの石…ポッド…装甲板…カーボン…レアメタル… 「MR起動、装甲板を素材に服を作るわ」 『了解』 視界にナビが浮かぶ 熱源、酸素濃度、視界の明るさ全てを自動調節に 周りの物質でNMの素材になりそうなものを使いNMを増やす 増やしたNMで服を作る NMは内部電力の少なさで数分間の活動しか出来ないので衣服作成用に簡易的なNMをどんどん作らせる 装甲板が少しずつ削れ衣服が作られていく 足先から太もも腰胸腕…予想はしていた 安全を考えれば造られるのは多分あれだ 『生成完了。』 目の前には全身を薄い生地で出来た頭まですっぽり覆える黒緑色のタイツが… 「却下」 私は全身タイツを地面に叩きつける 『全方位からの未知の驚異に対応出来るスーツです』
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加