第1話 蘇生

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「OK、あと舟で使えそうな素材は全て揃えておいてね。燃料系は最重要で」 『了解』 私は足場を少しずつ崩し洞窟に戻る 落ちていたソーラーパネルは軽量化されているがやっぱり重い 引きずりながら洞窟の外に出ると岩に立て掛ける 「はぁはぁ…喉乾いた…お腹すいた…」 食料なんてあるわけないわよね…どうしよう… だから睡眠を勧めたのね…寝てれば何をしてようが気にならないから… 『循環しますか?』 「却下」 循環とは…そう…排泄物を…再構成…再構成した物質に栄養素を注入…食糧にも出来る…究極のエコ… 『では適当な植物を探してください』 幸いにも洞窟を出ると緑豊かな木々が見える どうやら森のようだ 『解析します…内部に水分を確認、解析…有害な細菌除去…飲料可能と判断…摂取しますか?』 聞いてると飲みたくないわね… 摂取とはNMを介し直接人体に取り入れる事である 地球だけど未知すぎる…でも死にたくない… 「り、了承」 『了解。』 触れた木が少しずつ萎み枯れていく 喉の乾きは癒え、お腹も満たされる 解析結果を表示 イネ目竹科に類似 水分が多く飲料可能 栄養素が豊富 とりあえず確保した方が良さそう 「とりあえずとして確保しておいて。」 『了解、ローブの一部を変化分離、水袋を生成しました。ベルトのフックに装着可能です』 パチン ベルトのフックに引っ掻ける とりあえず水は2L確保 植物があるのなら果実もあるはず 気温も冬ではなさそう 何か果実がある可能性はある 探索を続ける 森に入り地面、枝を注意深く観察する 森の中は竹が生い茂り他の種類の樹木は確認出来ない 地面には何か突きだしている 解析結果が表示される どうやら竹の芽のようだ ある国では食べられていたらしいけど… 匂いを嗅ぐ…生臭い… 探索を再開する 鬱蒼と茂る竹やぶをひたすら歩き回る 竹以外の植物はあるものの全ては実をつけない草ばかり 最悪草を調理するかな… 収穫の無いまま洞窟へ戻る 『地形分析:生命体は昆虫、飛行生物以外は住みにくい環境と判断、植物においても同様と判断』 頭に響き渡る追い打ち 道具が揃うまで寝たほうがいいかな… 『睡眠を提案します。ソーラーパネルの設置により残り20時間で完成します。それまで最低限の活動が好ましいと判断します』 「はぁ…わかったわ…」 ローブの外側が固くなっていき中は弾力が増す 寝袋にもなるようだ
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