第1話 蘇生

8/11
前へ
/15ページ
次へ
顔がとてもいびつなのに気づいた 目が無い、そして顔の大部分は鼻葉である 『この鼻葉の大きさなら人間を吹き飛ばせる可能性があります』 なんと恐ろしい… 鼻葉の構造をグラフ化し超音波の発射角度を計算する 周りそして獲物を確認するための広域超音波、そして大きくしたことにより柔軟性を増した軟骨を動かす事で直線限定で人を吹き飛ばせる超音波が出る この蝙蝠は周囲5キロを確認できたと思われる 飛んだドローンを獲物と間違えたのであろう、そして動くモノなら襲う獰猛性…対策が必要ね… 『ドローンとローブに超音波を流す仕組みを追加します。』 「お願い」 ローブが途端に逆立ち…静かに戻る 『ローブの対策を完了』 あとは……お腹をさする… 小さくクルル………と音がする 蝙蝠……成分的には食べられそう…毒素と細菌とウイルスをなんとかすれば… 「暇だし実験してみますか。とりあえず熱消毒してみましょう」 蝙蝠に手をかざす 蝙蝠の毛が少し逆立ち至るところから小さな火が起きる しかし起きた火はすぐに消えてしまった…はて…? 『生物の加熱にはプラズマ放電発火は適しません。体内の水分を蒸発させられる熱量が必要です』 と言われても… 『凝縮した燃料を1g使い蝙蝠にそれに着火してください』 ポケットから舟で凝縮させた燃料カプセルを取りだし一滴垂らしその部分めがけてプラズマを放つ 途端に大きな火が蝙蝠を包み激しく燃える 蝙蝠はパキパキと音を立てながら小さくなる 蝙蝠の体内に入れた耐熱性NMからのデータを見る 『温度87度時にウイルス消滅、細菌の死滅を確認。毒素の熱分解確認されず、他の分解法を検索』 食べられないか… その前に…私は小さく炭になった蝙蝠を眺める さすがに食べる気にはならない… 『空腹を確認。 循環しますか?』 それは…いやだ… 「ほ、他の提案無い?」 『ではタケ科の若芽を調べましょう』 タケ科…ああ…あの木の根の事ね 『分析結果…毒素不検出…細菌検出、ウイルス不検出。食べられる可能性大』 まぁ、昨日分解摂取したしね… 『熱消毒を推奨。舟の燃料では炭になるのでタケ科の葉で燃やす方法を推奨。タケ科の葉を若芽が見えなくなるまで覆い被せてください』 言われた通りに集めた葉を掘り出した若芽に被せ手をかざし火をつける 燃える若芽を眺める 不思議…食糧を燃やして食べるなんて 不思議な匂い…若芽はどうなってるのだろう?
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加