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少し待つと火が少しずつ収まっていく
『若芽を取り出しましょう。ローブを変化させます』
ローブの裾が伸び始め手を覆う
『耐熱ミトンにしました。若芽を取り出してください』
燻る焚き火の中から黒く焦げた若芽を取り出す
全て黒くなり本当に食べられるのか分からないけど少し力を入れるとフニャとほどよい感触とともに焦げ部分が裂けクリーム色の身が見える
焦げを丁寧に取り除き、タケの葉で包む
「で、でわ…」
恐る恐る少量口に含む
少し苦味があるけどホクホクして甘くて美味しい
例えるなら柔らかさはポテト、食感はオニオンだろうか?
一口食べるとまた一口どんどん食べてしまい直ぐに無くなってしまった
美味しい…と言いたいけど食べ進めると苦味が蓄積され最後はなんとかといったところだった
主食になりそうな安全な食べ物は今のところ若芽のみなので何とかしたい
「苦味成分の分析」
『分析結果不明…メインサーバーにアクセスしてください』
「え?」
不意をつかれた答えに間の抜けた返事をしてしまう
『苦味の定義が設定されていません。メインサーバーにて料理の項目に接続してください』
思い出した
料理という行為はしていなかった
食事はブレッドレーションが主流であり食物を調理する行為はしたことが無かったから食物の成分なんて分からない
私と一緒に過ごしていたAIだって学習する機会が無かったのである
「えええ…えっと……口の中が少し渋くて…えぇ…と……変な臭いがして……苦……ごめん……わかんない…」
考える!
考える!考える!
時間が立つごとに思う。
またあれを食べたくはない。
「!レーション!できるでしょ!?ショートブレッドにして栄養素を入れて!?」
我ながら良いことを思い付いたものだ。味付けで誤魔化す!濃い味付けにすれば苦くてもまだ食べられるはず!
『了解。現在生成出来るレシピを作成。味付けはレモン、チョコレート、シュガーです。』
作り方はこねて生成されたパウダーをまぜてさらにこねて袋に入れて焼く
これなら簡単!私でも出来る!
森に入り見つけられるだけ若芽を集める
至るところに生えていてすぐにバック一杯に集まる集めている間に作っていた袋に若芽を入れられるだけ入れて封をする
袋から伸びた針をタケに刺す
とりあえず5袋
袋から伸びた針からタケの水分を吸収、袋の外側で化学反応させ熱を発生させ蒸す
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