一章 戒め-1

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水田、麦畑、芋やカボチャ、レタスにトマト、パプリカ、ゴーヤ、さとうきびなどの畑。 果樹園にはバナナ、パパイヤ、マンゴー、パイナップルなどの南国のフルーツ。 レンガ造りの家畜小屋。 群れになった牛や豚、羊、鳥。 グループにわかれて作業するカーキ色たちの表情は、くったくがない。不謹慎なほどおおらかで、仲間どうし、じゃれあっていた。肩をくんだり、背中をたたきあっている。 暑いせいもあるのだろうが、作業服の前ボタンを外し、肌を露出させていた。 人間というよりケモノだなと、忍は不快に思った。 こんな連中になれることなどあるのだろうか? 収容者たちはホーバークラフトが走ってくるのを見ると、作業の手を止めてふりかえる。冷めた目でいちべつするだけの者もあるが、おおむねは好奇心まるだしだ。なかには、忍と目があうと笑いかけてくる者さえいる。 風間がそれに気づいて声をかけてきた。 「連中、自分たちにあとがないことを自覚していますから、たいがいは従順です。が、大尉どのは夜半の一人歩きはひかえられたほうが無難かと思います。さしでがましいようですが、警棒はつねに携帯してください」 「体制に不満を持つ者が多いのか?」 「いえ、そうではなく……」 風間は頭をかいて言葉をにごした。     
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