一章 戒め-2

5/18
前へ
/311ページ
次へ
あわてて忍は浴室を出た。 シャワーも浴びたかったが、そんなことは言っていられない。 忍は評価ポイントをためて、いつか母が見つかったときに休暇をとりたいと思っていた。減点行為はひかえなければならない。 ゾロメの用意した半袖の略装に着替えると、警棒をベルトにさし、髪にクシを入れ、ろうかへとびだした。 朝食は地下一階の大食堂で六時より八時までのあいだ。 八時からは通常任務だから、実質、七時五十分までには終わっていなければ、まにあわない。 もっとも、収容者たちは七時には作業を始めていなければならないので、教官や兵士はそれだけでも優遇されている。 地上部分では別個になっているが、収容所のすべての建物は地下でつながり、一つの巨大なシェルターになっている。エレベーターによって行ける階層が決まっているのだ。 地下一階から四階までは食堂、医療室などの公共施設。 地下五階から十五階までが収容者のコンパートメント。最大五千人まで収容可能だ。現在は空室も多い。 十六階と十七階が職員のコンパートメント。 その下は二十階まで研究施設や動力室、海水ろ過設備、製塩室、モルグなどがある。 地下一階の食堂はすいていた。     
/311ページ

最初のコメントを投稿しよう!

37人が本棚に入れています
本棚に追加