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「やっと見つけた。」
「…新しい人間?」
「僕はツヅミ、はじめまして。そう、人間だ。」
「ツヅミ、はじめまして。私はプレアデスプロジェクト初号機、アルキオネ。」
「うん、知ってる。」
新しく現れた人間は、彼女のことを「知っていた」。ずいぶんと長い間、彼女はメディアに姿を表していなかったので人間達の間ではすっかり忘れられていると思っていた彼女は少しだけ驚いた。
「思ってたよりも意外に状態、いいねえ。」
ツヅミはアルキオネの頭をさらりと撫でた。そして、ぎゅっと彼女を抱きしめた。
「それに、二百年前の造形にしてはなかなか凝ってる。」
アルキオネは二百年活動してきて他人に触れるという行為は姉妹間でしか行ったことがなかった。六人の妹たちはいつも無機質な肌を寄せ、特殊なアクリル樹脂の瞳で彼女を見つめていた。
「君は僕がもらう。」
「あなたは何者ですか。」
「僕はね、ジャンク屋だよ。アンティーク専門のね。」
アルキオネは二百年の時を経て、自らがアンティークだということを初めて認識、理解した。
「悪いけど着いてきてもらうよ。」
「マスターの権限がないと承諾できません。」
ツヅミはアルキオネのうなじに手を差し入れ、鍵穴に古いキーをさして、カチリと回した。
「マスターキーなら、ここにあるんだなあ。」
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