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それから、パジャマから制服にジャケットだけ左腕に抱え、右は鞄を持った。
そして、リビングに顔を出すとテーブルに三人分の朝食と両サイドに二人が座っていた。
「おはよう、朝からどうした?そんな大きな声を出して…」
やはり思った焔は小さく微笑んでから「悪夢を見ただけだよ」だけ返した。
内容は忘れてはないが警察官である父親に疑いを向けて欲しくなかった。
「悪夢か…お前でも見るんだな」と皮肉を込めたような言い方をしてくるけども彼はさらにこう返して納得させた。
「母さんの死を見れば悪夢も見るよ」
「それもそうだな」
そして二人の話が終わると結はすぐさま話しかけた。
「だいじょうぶなの?おにいちゃん?」
「大丈夫さ。俺はお前の王子様だからな」と言いながら荷物を自分の座る席の隣に置いて結の横にある椅子に座って両手を合わせ「いただきます」って言い朝食を食べ始めた。
「そうだよね!おにいちゃんはつよいから!」
そう言って彼女も朝食を再開した。
それから黙々と食べていると不意に父の携帯が鳴り響いた。
丁度食べ終わった直後だったので余裕を持って電話を取ると何やら事件なのか額に冷や汗が滴っていた。
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