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焔は初めて警察署に入って緊張の汗が流れ始めた。
すると、一人の捜査官が彼に優しく声をかけながら肩を叩いた。
「そんなに気を張らなくていいよ。焔君」
彼に話しかけてきたのは父の話と彼の自己紹介を思い出して名前を口にした。
「確か、父の後輩に中る坂本 鍄牙さんでしたっけ?」
「あ!覚えててくれてたんだ。僕としては嬉しいけど今は捜査だね。」
そして、鍄牙の言葉を聞いて焔は一度深呼吸をしてから似顔絵を書いてくれる捜査官に軽くお辞儀をしてから、犯人の特徴を伝えた。
「そして最後に右目の下に十字の火傷の傷が付いてた」
最後まで伝え終えると、最後に捜査官が軽く影などを付け終えた後に完成したその絵を焔に見せると思わず目を見開いてしまった。
余りにも似すぎて焔は一瞬憎悪が芽生え目の前にいる人に殴りかかりそうになった。
それを見抜いたのは傍に立っていた鍄牙だった。
彼を慰めるためなのか頭をわしゃわしゃと荒々しく頭を撫でてきた。
「辛いことなのに…よく頑張ったな!焔君!」
彼の優しさに憎悪が消え、一先ずの安心を抱けた。
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