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息切れが治りふとクラスの人の顔を見回した時だった。
かなり成長していたが昔の面影がある増山だった。
そう、聞いたことのある増山は俺が小学校に入る前にずっと仲良く遊んでいた増山千夏だった。
しかし、彼女とは8年前に転校してから一度も会っていなかった。
千夏は俺の初恋の相手である。
HRが終わり俺は一目散に千夏のもとへ行った。
「お前、千夏だよな?小学校に入る前によく遊んだ拓だ!渡辺拓だよ!覚えてるか?」
と俺は興奮気味に千夏に話しかけた。
「たっくん!覚えててくれたの?私ねあのころからたっくんの事がずっと好きだったの。私、たっくんのお父さんの転勤が落ち着いたって聞いて引っ越してきたの!たっくんはあの頃から変わってないね!」
嬉しそうに話しかける千夏を見て俺は嬉しかった。
まさか俺の初恋の相手がずっと俺の事を好きでまさか追いかけてきてくれるとは思ってもいなかった。
「千夏、お前は俺の初恋の相手だったんだよ!」
と勢いで言ってしまった。すると千夏が
「知ってるよ!だってたっくん言ってたじゃん」
俺は遊んでいたことは覚えているが細かなところまでは覚えていなかった。
「俺が言ったって何を?」
思い切って聞いてみた。
「引っ越し当日の別れ際にたっくんが私に千夏大好き!大人になったら千夏と結婚するって言ってくれたじゃん!」
俺がまさかそんなことを言っていたなんて覚えてもいなかった。
そして俺の波乱万丈な高校生活が始まった。
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