第1章 プロローグ

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  「なんだ、その不満面は!」  お父さんの忠司の大声が階下から聞こえてくる。真奈美が泣き声を出す。私は真奈美を膝に載せてベッドの上で大丈夫、何でもないから、と言いながら頭を撫でている。 「人の話を聞いているのか?言ってみろ、俺の言った事を!」  もう一時間もお父さんはお母さんの路子を怒鳴り付けている。毎晩の事なのに真奈美は泣いて私にしがみついてくる。お父さんの忠司の声は尋常ではない程大きかった。
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