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小さく鍵を開ける音とともに、ぼろいアパートの薄い扉が開く。通路が狭いため扉が開くと同時に二人も扉に流されてしまうのだが、開いたあとぴょこっと二人は扉から顔を出して扉の奥を見た。
「あ、まーちゃん!…ここで言うんだよね!」
「「せーの…!」」
「「とりーと!おあ!とりーと!」」
?!?!?!( ゚A゚ )
二人が言ったのは『お菓子かお菓子!』という強制お菓子コールだった。
子どもの特権フル活用…笑。
「あら、可愛い動物ちゃんたち!はーい。ケーキどうぞ~。」
いいのか笑。
「お姉さん、ありがとうございま……」
二人が渡されたケーキを貰いお礼を言うため上を向くと……。
ガッツリ血糊のついたゾンビメイクのお姉さん、『山田さん』が立っていた。
うっわ。今年もリアル。
「「ひゃ……ぎゃ~~~!!」」
山田さんを見た瞬間、カミくんもまーちゃんも一目散にこっちに走ってきた。
「食べられちゃうよぉぉぉ!」
「おにちゃんだすけでぇぇ!(泣)」
「え、二人とも気づいてたの?!?!」
泣きべそかいて大慌てで走ってくる二人を抱き抱え、僕は二人が落ち着くよう背中をなでた。
「大丈夫だよー笑。『山田さん』怖くないよー?」
泣いてる二人を抱き抱えたまま山田さんに近づき二人に山田さんが見えるように肩を下げるも、二人はピャッと小さく悲鳴をあげて顔を手で隠し伏せてまった。
双子だからか、二人とも同じように両手で顔を隠している。
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