第1章 夏の夜

1/1
前へ
/4ページ
次へ

第1章 夏の夜

記憶を失い、季節が過ぎ冬が終わり、春も終わり気づいたら夏が来ていた。 とある夏休み僕はバイト先の喫茶店に来ていた。 誰かの紹介で面接受けた気がするがよく覚えていない。 今日は一段と暑い日だった。 そこで、まさか予想外の事態が待ち受けていようとは1㎜も考えていなかった。 そんな僕はいつものように汗を拭いながら仕事をしていたら、強盗に遭遇した。 しかも、変人な強盗である。 更に、店長も不在なのである。 僕はめんどくさいと思ったのでお酒を出すことにしたのだった。 案外上手く行くとは思わなかった。 そして、思わぬ事は二度あるものだ。 僕がシフトを終えても尚強盗は居座っているのである。 早く帰れ!と念を押す作戦に出たのだが、エスパーでもない限り、分かるわけもない。 あろうかとか、手招きさえして来る始末だ。 思わず眉をひそめ、僕は思った こんな暑苦しいのに更にこいつのせいで暑苦しい 某芸能人の「何て日だ!」を連呼したい気分になった。 とりあえず、争い事を避けたい僕は男のとなりに座ったのであった 男は短髪で顔は凄く整っていた。 いかにもジャニーズないそうな顔である。 そんなのは、どうでも良くて、僕はどうしてこうなったのか、そんなのは知る由もなかった。 知りたくもない。 僕は男に注がれた酒を一気飲みする 今なら一気飲みは健康に害を及ぼすがこの時は解明されていなかった。 やがて、酒が回ったのか自己紹介を始めだした。 僕は君が居なくなってから何も思い出せない。 名前すらも記憶の片隅に消えてしまった。 だから、説明に困っていた。 恐らく察してくれたのだろう。 ちなみに、男は嘘化 真(26)であった。 変な名前と笑ってしまった僕に、顔を真っ赤にして怒る真。 真はどちらかと言うと可愛いやつだった。 僕はこの事をキッカケに仲良くなっていくのだった
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加