第3話 2週目の開幕

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リーディスは寝坊を詫びたが、相手の反応は薄い。 共に入店し、席に着いてからと言うものの、彼女は一度も目を合わせてくれなかった。 ーーまずいなぁ。これは相当怒ってるぞ。 婚約者の冷たい態度に激しく動揺した。 平静を装いながらも、不自然な量のミートパスタを一口で頬張ってしまう。 「ねぇ、リーディス。話があるの」 「ゴフッ! うん……なんだい?」 慌てて口の中を空にしたので、リーディスの喉は悲鳴をあげた。 苦痛のあまりに水の入ったグラスに手を伸ばす。 エルイーザはというと、そんな彼を気遣うこと無く、静かに続けた。 「……別れましょう」 「えっ!?」 リーディスにとって寝耳に水だった。 なにせ2人は将来を誓い合った中だ。 所帯を持つのに十分な稼ぎが無いため、今のところ婚姻関係を結んではいないが、ゆくゆくは……と考えていたのだ。 それが、なぜ。 リーディスの思考は混乱を極めた。 「ど、どうしたんだよ急に! 一緒になろうって約束したろ?」 「あなた……職業が『勇者』じゃない。勇気があっても、収入がほとんど無いんだもの」 「で、でも! オレが強くなったら大きな依頼も受けられるようになるんだ! 一年、いや半年。それだけ待ってくれたら……」 すがり付くリーディス。     
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