第3話 2週目の開幕

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どうにか猶予をもらおうと懇願するが、それもとある人物の登場によって遮られる。 「こんな所に居たのですね、エルイーザさん」 「マリウスさん……」 「だ、誰だお前は!」 リーディスがマリウスに問いかけると、まず 微笑みが返ってきた。 だが、そこに温もりはない。 侮蔑がふんだんに込められていることを、リーディスは直感で見抜いた。 「お初にお目にかかります。私は賢者マリウス。これでも一応、貴族の息子です」 「き、貴族の息子だとぉ!?」 「ちなみに賢者なので、出世頭でもあります」 「しゅ、出世頭だとぉお!?」 マリウスは自己紹介を終えると、静かにエルイーザの隣に寄り添った。 関係を略奪したことを誇示するかのように。 エルイーザもその動きを拒もうとはしなかった。 リーディスは怒りにうち震え、したたかに拳をテーブルに叩きつけた。 「そのお前が何の用だ! まずはそこから離れろよ!」 「あなたの事は彼女から聞いてます。その日の暮らしにも困るほどに貧しいそうですね」 「そ、それは……。まだ野草集めくらいしか仕事がないから……」 「ここの食事代も、恋人にたかるつもりでしょう? いくら彼女がお布施をふんだんに預かる身であるとはいえ、恥ずかしく思わないのですか?」 「お前に何がわかるんだ! オレだって毎日頑張ってるんだよ!」     
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