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リーディスの背後には武装した民間人がひしめき、彼を主と仰ぎ、死地へと飛び込もうとしている。
一本向こうの通りには、同じようにマリウスが別動隊を率いている。
これからなすべき事はひとつ。
これらの民兵を率い、王都を占拠する魔物たちを葬り去るのだ。
「リーディス、こちらの準備は完了しました。いつでも戦えます!」
「お、おうよ」
「初戦で緊張していますか? それは僕も同じです。気持ちを切り替えて、敵を討ち滅ぼしましょう!」
「お、おうよ!」
よくもそう簡単に切り替えられるもんだと、リーディスは感心した。
先程の演技はあくまでも別の物語。
マリウスは皮肉屋な貴族の息子ではなく、頼もしき戦友へと立場を変えたのだ。
さて、第1ステージについて反響はどうだったか。
プレイヤーはそこそこ苛ついたらしい。
その証拠に、エリアボスに対して無限コンボを叩き込み、鬱憤を晴らすようにしてクリアしたからだ。
後にリーディスは語る。
あそこまで罪悪感を覚える戦いも珍しい……と。
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