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『ネットオークションでは値崩れ! 大崩落クラスの値崩れだ! 繰り返す!』
『いや、繰り返せよ』
『教授めっちゃキレてんだけど。どうしてくれる』
大学生らしき彼にはキチンと講義に出て貰うとして。
これは明らかな設計ミス、そして調整不足であった。
プレイヤーとしてはやはり、自分の手で悪を打ち払い、達成感を得たいものである。
「ふぅん。つまり、ロード時間が暇で、ゲームも簡単すぎるって話か」
「難易度はどうにかできても、読み込み速度を変えることは難しいですよね……」
「じゃあさ! 劇やろうよ劇! 5分10分あるんだから、色々と遊ぶ時間はあるじゃない!」
「うんうん。良いじゃねぇか。じゃあ決まりでーす」
リリアの提案はろくに吟味されること無く、ほぼ素通りしてしまった。
だが、すぐに雲行きは怪しくなる。
脚本は、配役はと決めていくうちに、皆が首を傾げ始めた。
ーーどうしてこうなったんだろう、と。
だが、後悔したくとも時すでに遅し。
ゲームは再起動され、再び彼らは編集モードの世界へと誘われるのであった。
安易な決断が果たして、どれほどの代償を支払う事になるのか。
この時の彼らには知る由も無い。
ただ漠然とした不安があるばかりである。
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