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オープニング
荒れ果てた大地を走る一台の車は、男兵士2人を乗せて。
気を紛らわそうとする様に、陽気なジャズが、
ノイズを交えてダンスを踊る様に、車内に流れている。
十数年前に、起きた戦争が、原因で、植物達は、枯れ。
この地に住む人間は、街事消し去った。
もう何時間走っているだろうか。
無口な相棒を、助手席に乗せたまま。
只管この先に、或ると言われた目的地を目指す。
「しかし隊長も、理不尽だよな。俺ら2人で、こんな荒地に行って来いなんてさ」
話を振ったつもりだが、やはり返事が返ってこずリードは、深く溜息を吐いた。
二人にとって、今回の任務は、特別な物であった。
かつて栄えたこの地で、起きた大事件の真相を、
解き明かす事が、今回の任務。
それは、勿論危険を伴う物であり、
この地は、政府からも立ち入る事が、禁じられている未開の地の探査。
リードは、憂鬱では、あるものの。
胸に期待を抱いていた。
何十回と、リピートされたジャズに、いつしか慣れた頃。
辺りには、恐らく動物で在ろう骨と、瓦礫の山が見え始めてきた。
それから約二時間程走った頃、車は、大きなドームの前に、辿り着いた。
ドームは、朽ち果てては、いるものの
まだ原型を留めている。何十年前の物だろうか。
此処が、彼等の目的地。
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