ep4 でーと??(2)

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ep4 でーと??(2)

いつのまに用意してくれたのかわからない、僕の足のサイズにぴったりあったブーツで、真新しい雪の上に足跡をつけていく。 真っ白な銀世界に太陽の光が乱反射して、目がちかちかする。 濃い緑にサラサラとした白い雪で、木々は粉砂糖をまぶされたよう。 久しぶりの外でブーツで雪だから、頻繁によろける僕は、繋いだ彼の手に助けられている。 階段を降りて少し歩いて振り向くと、自分が生活していた家はこんな建物だったのかと初めてわかり、すなおに感心した。 緑色の外壁に、赤い屋根の三階建ての建物。僕とアシュリーが生活しているのは、そのうちの二階と三階らしい。 周りには本当に何もない。街から外れた空間。 五分ほど歩くと、商店街についた。 辺りはカップルや家族連れで賑わっていて、クリスマスツリーやクリスマスの飾りがそこら中に散らばっている。 「もう直ぐクリスマスだから、景色が賑やかだね。テオ、離れないように注意してて。」 「大丈夫。」 そう答えるけど、実は、ここで手が離れて迷子になったら、と怖い。 それで見つからなかったら、きっと僕はその辺で凍え死んでしまうだろうし、見つかったとしてもアシュリーにはすごく迷惑をかけてしまう。 だから手をより強く握って、離れないようにする。 なんとなく、街を歩く人の視線がアシュリーに向いていることがわかる。 ねえねえあの人かっこいい、という声もちらほら聞こえてきた。 そして全くそれを気にせず歩いている彼には、もう恋人がいるのだろうか。 いる方が自然だから、いても驚かないけれど。そしてそれを考えると胸がちくりとする僕は、わがままなことに彼を独り占めしたいのだろう。 「テオは何が欲しい?」 いきなり聞かれて言葉に詰まる。 なんのことだろう。 欲しいものなんて全て与えられているし、まずその質問の意味がわからない。こんなに大切にしてもらえて、これ以上のものなんてあるのだろうか。 「欲しいものは全部持ってる。何もいらない。」 そう答えると、アシュリーは少し残念そうな顔をして笑う。
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