ピーマンは苦い

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 たとえ嫌いなピーマンが入っていようと空いた腹は元気に鳴り、顔が熱くなった。 「い、いただきます。すいません、わざわざ。」 「別に、俺らの晩飯のついでだ。」  うん、やっぱり愛想良くない。もう一度頭を下げ、共同玄関から出ていく姿を見送った。 折角なので頂くことにした。タッパーを開けると出来たての炒飯の良い匂いがする。ほんのり色づいたテカテカと光る米から香る油の香り。卵の黄色とウインナーのピンク、そうとくれば当たり前のように緑が欲しくなる。その役を担うのがピーマンという訳だ。 「いただきます。」  比較的ピーマンの割合が多い炒飯を一すくい口に運んだ。胡椒、油、卵、ウインナー、ピーマン。それぞれの味が残りつつ、やはりピーマンは強烈に味を主張してきている。  美味しい。でもやっぱり、ピーマンは苦手。 レシピ② ―肉詰め―  ・縦半分に切ったピーマンを用意。  ・肉だねを作りピーマンに乗せる。  ・肉だねを下にして焼き色がつくまで焼く。  ・裏返し、ピーマンを下にして蓋をし蒸し焼きに。  ・ケチャップ、ソースなどお好みで。  休日の昼前、ベッドの上で今まさに二度寝に突入しようとしていた時の事。家の古臭いチャイムが五月蠅く鳴り響いた。 「はいはいっ…と。」     
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