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「侑……連絡もせずに仕事中に突然来て、ごめん」
「ホントにな」
少し冷たく言い放ったつもりが、口から出たのは呆れたような苦笑いを含んだ声で。
会ってしまえば、こうやってこいつを酷く突き放せないことは自分が一番よくわかってた。
だから、会いたくなかったんだ……。
凌輔がゲストで来ていてここで再会したあの日の夜、凌輔から数年振りに届いたメッセージ。
『よかった、連絡先変わってなかったんだ。侑、お前にどうしても話したい事があるんだ。もう一度会ってくれないか。連絡待ってる』
原田づてに新木から促されて、渋々開いたそのメッセージには、おおよそ俺の想像通りの事が書いてあった。
もう、会わない、関わらない。
そう誓っていた俺は、どうしても返信する気になれずに、そのままメッセージを閉じていた。
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